働きながらでも介護の資格は取れる!その種類や方法を解説
この記事はこれから介護士になって資格を取りたい方にオススメです!
介護業界で35年以上働いて5種類の資格を取った私が説明しますね。
介護の仕事に資格は必要なの?
私は経験なしから介護施設で働きながら資格を取ったよ!
では早速、働きながら介護の資格を取る方法を解説しますね。
記事の前半では資格を取るメリットや働きながら取れる資格の種類について詳しくお話しします。
後半では働きながら資格を取る方法や介護職の主な職場を紹介しますね。
この記事でご紹介する「働きながら資格を取る方法」を実践できれば、資格なし・経験なしでも介護の資格が取得でき安定して働く事ができます。
さらにキャリアアップの道も用意されており、お給料アップにも繋がっていきますよ!
介護の仕事って何?
福祉には、高齢者・障害者・児童・社会的弱者に対しさまざまな支援サービスがありますが、ここでは高齢者介護のお話しをしますね。
その人らしい生活のサポートが介護の仕事
日常生活に不自由がある高齢者に対し、その人らしい生活が送れるようにサポートするのが介護の仕事です。
- 身の回りのお世話など日常生活をサポートする
- その人に合った介護サービスを提案する
- 本人や家族の相談にのりアドバイスや支援を行う
介護の仕事は誰でも・いつからでも始められますが
経験を積んで資格を取りキャリアアップすると、活躍の場が広がったりやりがいのある仕事に就く事ができますよ。
介護の資格を取るメリット3つ
1、就職・転職で有利になる
介護職員の人手不足は深刻な問題ですが、これから高齢化が進むにつれ介護人材のニーズは高まると考えられています。
介護の仕事は資格や経験がなくても始められますが、仕事をするうえで必要な資格もあります。
例えば、訪問介護サービス(ヘルパー)で、自宅を訪問して食事や入浴、排泄介助といった身体に直接触れる介護(身体介護)を一人で行う場合には資格が必要です。
資格を持っておくと、今後就職や転職を考えた時に職場を選ぶ幅も広がりますね。
2、資格手当がついてお給料アップ
厚生労働省の調べによると、資格別の介護職員の平均給与は以下のようになっています。
資格 | 平均総与額(令和4年12月) |
保有資格なし | 270,530円 |
介護職員初任者研修 | 302,910円 |
介護福祉士実務者研修 | 302,500円 |
介護福祉士 | 352,560円 |
資格なしと初任者研修ではお給料に3万円ほどの差がありますね。
このように資格なしで働き始めても、そこから介護資格を取ればお給料アップが見込めますよ。
3、キャリアアップに役立つ
キャリアアップとは、今よりもさらに専門的な知識や技術を身につけて、能力をより向上させて経験を高めていくことをいいます。
介護の職場では資格が無かったり、未経験で始める職員も多くいますが、そのような介護未経験の職員がキャリアアップできる嬉しいプランがありますよ。
働きながら取れる!介護の資格3つ
では資格なし経験なしでも、社会人として働きながら取れる介護の資格を紹介しますね。
1、介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修とは、介護職として働く上で必要な知識や技術を身につけられる、介護の入門的な資格です。
1、メリット
- 一人で身体介護ができるようになるため職場を選ぶ幅が広がる
- 資格なしよりお給料がアップする
- 介護職としてキャリアアップが目指せる
- 介護の知識や技術の基礎が身につき自信がつく
2、資格を取る方法
- 介護資格のスクールで受講できる
- 受講資格が決められていないので、資格なし・経験なしでも受講できる
- 130時間のカリキュラムと終了試験を受講する
受講スタイルは「通学」と「通信+通学」の2種類があります。
自分の生活スタイルにあった方法で資格にチャレンジしてください。
通学
短期集中して資格を取りたい人にオススメ
- スクールや学校に通い授業を受ける形式
- 平日のみや夜間のみなど、自分のスケジュールに合わせて受けることがでる
- 平日の日中を中心に授業を進めると、最短1ヶ月ほどで資格が取れる
通信+通学
仕事や家庭と両立しながら資格を取りたい人にオススメ
- 教材を使い自宅で学習
- 自宅学習は40.5時間以内、それ以上は通学で学習
- 通学も含めると、3ヶ月〜4ヶ月くらいかかる
2、介護福祉士実務者研修とは?
介護福祉士実務者研修は初任者研修のワンランク上の資格で、さらにランク上の介護福祉士を目指すキャリアアップには欠かせない資格です。
1、資格を取る方法
- 介護資格のスクールで受講できる
- 受講資格が決められていないので、資格なし・経験なしから受講できる
- 座学と演習を合わせた20科目のカリキュラム
- 資格なしだと研修終了まで450時間かかる
- カリキュラム終了で取れる(終了試験は義務とされていない)
受講スタイルは初任者研修と同様「通学」と「通信+通学」の2種類になります。
2、初任者研修との違い
実務者研修は、初任者研修よりも受講科目が多く、資格が取れるまでの期間も長くなります。
初任者研修 | 実務者研修 | |
項目 | 9科目 | 20科目 |
学習時間 | 約130時間 | 約450時間 |
受講期間 | 3ヶ月程度 | 6ヶ月程度 |
3、介護福祉士とは?
介護福祉士は国家資格です。
初任者研修や実務者研修のように誰でも受験できる訳ではありませんが、介護施設で働きながら実務経験を積むことで取ることができますよ。
1、メリット
社会人が介護福祉士になると即戦力で活躍ができ、職場での扱いもより良いものが期待できますよ。
- 介護の現場で即戦力として評価されるので就職や転職がしやすくなる
- さらなるキャリアアップが目指せる
- 資格手当が高くなり、お給料が高くなる
- 介護福福祉士で5年以上実務経験を積むとケアマネージャーの資格要件を満たす
- 生活相談員やサービス提供責任者として働くこともできる
1、資格を取る方法
介護福祉士を取る方法は次の3コースです。
- 養成施設コース
- 福祉系高校コース
- 実務経験コース
働きながら介護福祉士を取る事ができるのは実務経験コースです。
実務経験コース
- 介護の現場で3年以上の実務経験(従事日数450日以上)がある
- 介護福祉士実務者研修の資格がある
キャリアアップにおすすめ資格3つ
1、ケアマネージャー
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、利用者さんに合った介護サービスプラン(ケアプラン)を作成したり、サービス事業所などの関係機関と調整をする仕事をしています。
国家資格ではありませんがキャリアアップには役立つ資格です。
1、メリット
- 受験資格に5年以上かかったり、試験も難しいことからキャリアアップでもランク上位で、基本給や資格手当のアップが期待できる
- 転職の幅が広がる
- 一般的に日勤のみの業務で生活のリズムが安定する
2、資格を取る方法
受験資格を満たし年1回の試験に合格する必要があります。
合格後は、都道府県が実施する研修を受講することで仕事ができるようになります。
受験資格
- 指定の国家資格があり実務経験が5年以上ある
- 生活相談員や支援相談員として5年以上の実務経験がある
合格率
2023年の合格率は21.0%となっています。例年10〜20%前後でほかの福祉系の資格と比べて低い傾向にあります。
2、社会福祉士
社会福祉士は国家資格です。
その対象者は、高齢者や児童・低所得者・障がい者など幅広くなります。
介護業界では生活相談員として活躍することが多く、利用者さんや家族の相談にのりアドバイスや支援を行っていますよ
1、メリット
- より専門性の高い知識やスキルを身につけることができ自信がつく
- 社会的な信用を得られ活躍の幅が広がる
- 資格手当が付きお給料アップになる
2、資格を取る方法
福祉系大学に通ったり一般大学卒業後に養成施設で学び、社会福祉士国家試験に合格する必要があります。
受験資格
働きながら社会福祉士を目指す場合
- 相談援助の実務経験が最大4年分必要
- 一般養成施設に1年以上通う
合格率
2023年の合格率は44.2%です。
3、精神保健福祉士
精神保健福祉士も国家資格です。
精神障がい者の方が対象で日常生活のサポートや社会生活の支援など行います。
職場は精神科などの病院や、介護施設・児童相談所・ハローワークなど幅広くありますよ。
1、メリット
- 高ストレスの日本では精神の病を患う患者さんも多くなっており、精神保健福祉士はますます必要とされる
- 医療機関での雇用機会が多く就職に強い資格
- 国家資格として社会的信用がある
2、資格を取る方法
社会福祉士と同じように、福祉系大学に通ったり一般大学卒業後に養成施設で学び、精神保健福祉士国家試験に合格する必要があります。
受験資格
働きながら精神保健福祉士を目指す場合
- 相談援助の実務経験が最大4年分必要
- 一般養成施設に1年以上通う
合格率
2023年の合格率は71.1%です。
働きながら利用!資格取得支援制度
1、資格取得支援制度とは
資格支援制度とは国や企業が資格を取るサポートする制度です。
対象となる資格や支援内容は、公的機関や企業ごとに決められており異なります。利用前に確認をしてください。
公的な資格取得制度
教育訓練給付制度
条件を満たすと給付金がもらえる
ハローワークの職業訓練
雇用保険(失業保険)受給者は無料で受講できる
企業の資格取得制度
- 費用の負担
- 講座・研修会の開催など
介護職の主な職場3つ
いざ資格を取ったらどんな職場で働くことができるのか興味がありますよね!
ここでは介護職が活躍する職場をご紹介します。
もちろん資格なしでも働くことはできますよ。
1、入所施設
利用者さんが快適に過ごせるように、身体介護や生活のサポート、夜間の見回りなどを行っています。
365日・24時間体制なので、入所施設で働く場合は夜勤勤務を求められる可能性があります。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
- グループホーム など
2、ホームヘルパーステーション
ホームヘルパーは自宅や施設を訪問し、利用者さんができる限り自宅での生活を続けられるように、その心身状態に合った介護サービスを提供します。
- 1日に複数の自宅や施設を訪問する
- 自宅や施設には徒歩・自転車・自動車を使うので自分の家から近い場所で働ける
- 一人で身体介護を行うためには、介護職員初任者研修が必要
3、デイサービス
デイサービスでは、食事・入浴・レクリェーションなどのサービスを日帰りで提供します。
- 介護度の軽い利用者さんが中心なので、資格なし・経験なしでも働きやすい
- 夜勤がないので子育て中の人など生活のリズムが安定して働ける
以上が介護職の主な職場です。
私はまず、特別養護老人ホームで働き介護福祉士の資格を取りました。
家庭がある方の夜勤の勤務は家族のサポートが必要となります。自分の生活スタイルに合った職場を見つけてくださいね。
初任者研修でよくある質問3つ
1、通信講座だけで取れないの?
答え:通信講座だけで取得することはできません。「通信+通学」が必要です。
- 通信による学習時間は上限40.5時間と決められています。
- 初任者研修の講座カリキュラムは130時間なので、自宅学習の他にスクーリングや実習も必要となります。
2、最短で研修を終了するにはどれくらいかかるの?
答え:「通信+通学」の短期コースを利用すれば1ヶ月ほどで終了できます。
- ただし、日中に週3回程度の通学が必要なので、時間に余裕のある人にオススメです。
- 働きながら資格を取りたい人は、夜間コースや土日コースに通うのがオススメです。3〜4ヶ月ほどかかりますが仕事と両立しながら無理なく資格が取れます。
3、無料で資格は取れるの?
答え:ハローワークなら研修が無料でうけられます。
ただし、以下の注意点があります。
- 無職の人が対象なので働きながらは受けられない
- 資格取得までの3ヶ月ほどかかる
まとめ
介護の職場は資格なし・経験なしでも働くことができたね!
介護の資格は働きながらでも取れるんだね!
働きながら資格を取るためには「通信+通学」コースがオススメでしたね。
まずは、働きながら「介護職員初任者研修」を取り、そこから一歩ずつキャリアアップしていけると良いですね!
私が初めて介護の資格を取ったのは「介護福祉士」でした。今から28年前になります。
その頃は初任者研修や実務者研修などはなく、実務経験3年以上あれば受験資格がありました。
その頃は介護職も「寮母さん」と呼ばれていました。
今は介護職もその必要性が見直され、資格を取るとステップアップできるプランも整備されました。
まずは介護職員初任者研修を取り、一歩ずつステップアップして、実力アップ・経験アップ・お給料アップを目指しましょう!
2024年4月から介護職には「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されました。
これから介護職として働くか、資格なしで介護職として働いている方は、資格を取る必要があります。
しかし、新人職員には1年の受講猶予期間があるので、資格なしで働き初めても1年以内に介護基礎研修を受講すれば問題ありません。
研修時間:6時間・1日で終了できるスケジュール
受講方法:eラーニング(パソコンやタブレット)
出典:高齢労働省「第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」
参考資料1 令和3年度介護報酬改定における改定事項についてp.12